
人気グループSMAPの木村拓也さんが出演するテレビCMのパソコン、といえば思い出す方も多いのではないでしょうか。ウサギ男に扮した木村さんと、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた菊池凛子さんが共演していたこともあります。そう、富士通のパソコンFMVシリーズです。実はこれらのノートパソコンは、みんな島根製なのです。
のどかな簸川平野が広がる島根県斐川町。町の南側の谷あいには、約2000年前の銅剣が358本も見つかった荒神谷遺跡があります。そんな古代の技が息づく遺跡の近くで、最新技術を駆使した製品を作っているのが島根富士通です。富士通といえばパソコンのトップブランド。家庭や職場などで日頃から使っている という人も多いはずです。
その上、欧米や韓国、東南アジアなど世界各国へも出荷されています。そんな富士通製のノートパソコンすべてが、ここ島根で生産されているのです。また、そ の品質も世界レベル。というのもこの会社では、パソコンの心臓部ともいえるプリント基盤の組み立てから出荷まで、国内で一貫生産を行なっているからです。

▲国内最多の青銅器が出土した荒神谷遺跡。古代ロマン漂うこの町でパソコンが生まれる。

▲1990年に操業開始した島根富士通。県内有数の企業に成長を遂げている。
自動車や半導体など、品質の良い製品を安定して製造する技術で“ものづくり大国”と言われた日本。メイドインジャパンは、世界でも評判のブランドとなりま した。ところが今日、パソコンや薄型テレビなどを製造する多くの企業が、コスト削減のため人件費の安い海外に生産拠点を移しています。そのため、たとえ日 本製と書かれていても、中身は中国製という製品も珍し<ないのです。

①プリント基盤製造ライン。最新鋭の機械が自動で組み立てる。②これがプリ ント基板!約1500点の部品を実装する。③機械と人間の目。2重の検査で不良品がないか厳しくチェックする。④プリント基盤などの装置を組み込む工程は すべて手作業。⑤全装置組立9人で担当。迅速勝正確な作業が求められる。⑥約70分掛けて試験を実行する。丸印は合格のサイン。
島根を拠点として生産を行なうこの会社でで働くのは、ほぼ全員が地元出身者です。県民性なのか、コツコツと粘り強く仕事に取り組む人が多く、生産性アップ にもつながっています。また、世界に届けるものづくりに携わっているという作業者の誇りが、高品質な製品となって表われています。多くの作業が機械化され ても、品質検査や装置の組み立てなどには、やはり人の手が必要です。島根の質の良い労働力が、国内一貫生産のメリットである品質を支えています。
もうひとつのメリットは、スピード。生産計画を即座に変更したり、輸送費や人の移動にかかるコストが削減できるのは、国内に拠点があるからこその利点です。
人材の雇用や、世界に通用するトップレベルの製品を提供し続け、地元に活力をもたらす生産拠点がここにあります。”島根モデル”とも言うべきこのスタイルは”ものづくり大国日本”の復活と、島根のこれからの産業発展を予感させてくれます。
取材協力 株式会社 島根富士通 島根県簸川郡斐川町大字三絡1180-6 Tel: 0853-72-2333
※技あり山陰!歴史・伝統の旅シリーズは、一畑高速バス車内誌「Suki」に掲載された情報を元にウェブコンテンツとして再編集したものです。記事は2007年10月発行時の内容ですのでご了承ください 。










